ギュッと拳を握って息を吸う。
「……友達と、来ているよ」
「へーーーー。で?その友達は?」
「今、飲み物買いに」
大丈夫。声は震えていない。
『大丈夫』
いつかそう言ってくれた寧衣くんの声を思い出して自分に言い聞かせる。
「そんなこと言って、本当は姫茉のこと忘れて置いて帰ってたりしてたらどうする?」
「そ、そんなことっ、」
「プッ、冗談だよー!」
そう言って全員が一斉に笑う。
全然、面白くないよ。
思い出してきた。悪夢。
『冗談じゃ〜ん』
『姫茉が天然だから、いじりたくなるんだよね〜』
彼女たちはよくそう言って私のことをからかう対象にしていた。
奥底に封印していた記憶が、どんどん蘇ってくる。
「……まぁでも、友達って思っているの姫茉だけかもよ」
「え?」
「ほら。私らは姫茉のキャラわかってたから上手くやれてたけどさー」
上手くやってた?どこが?
みんなは、上手く隠しきれていたと思っているの?



