寧衣くんとイルカショーを見たあと、

水族館のお土産ショップで色々なグッズやお菓子を見て回って。

そろそろ出口が見えてきたというところで、寧衣くんが足を止めた。

「少し座って休憩しようか。俺、何か飲むもの買ってくるから浅海さんここに座ってて」

寧衣くんがすぐそこにあるベンチを指さす。

「え、それなら、私も一緒に……」

「足、痛くない?無理して歩けなくなったりしたら大変だから、念のため」

「あっ……」

確かに、今日の靴はいつも履いている靴よりもかかとが高い。

違和感が全くないと言えば嘘になるけれど。

背伸びして大人っぽい格好して寧衣くんに気を遣わせてしまうなんて情けないと思いながらも、

同時に、私がいつもと違うことに気づいて親切にしてくれる寧衣くんにときめいてしまう。