イルカショーが終わって、俺たちは見事にびしょ濡れ状態。

舐めていた。
イルカの尾びれ完全に舐めていた。

ショーの最中、周りのお客さんもイルカに水をかけられるたびにキャーキャーと騒いでいて。

子供だけじゃない、大の大人だって。

それぐらいの迫力だった。

「浅海さん、大丈夫?!」

「うんっ、全然!!すっごい楽しかった!!すごいね、イルカの力。あんなに水飛沫飛ばせるなんて。カッパがなかったら全身びっしょりだったよ!フフッ」

かぶっていたビニールカッパのフードを頭から外しながら、浅海さんが無邪気に笑う。

いや、洋服は無事だけどさ……。

彼女の髪から落ちる水滴がキラキラしていて色っぽくて、俺の胸を鳴らせる。