浅海さんと一緒に列の最後尾に並んで順番を待つ。

俺たちの前には大学生ぐらいのカップル。

浅海さんと俺は、周りからどういう風に見えているんだろう。

恋人っぽく見えていたらいいな。

「ね、寧衣くん」

「ん?」

隣から遠慮がちに俺を呼ぶ声がして顔を向けると、

浅海さんが頬を赤くしてこちらをチラッと見た。

「……あの、手、」

「え、あ……」

指摘されて初めて、自分が無意識に彼女の手を繋いでいることに気付く。

しかも……。

指を絡ませた、世でいう“恋人繋ぎ”

無意識って……だいぶやばいでしょ、俺。

周りの男たちがあんまり浅海さんを見ているもんだから、

きっととっさにそうしたんだと思うけど。

さすがにこの繋ぎ方を勝手にしてしまうなんて、彼氏でもないのに迷惑だったかもしれないと、

一気に反省モードになる。