「写真撮影やってるんだね」

「あ、本当だ」

俺の声に、浅海さんが反応する。

水族館の入り口前。

海の生き物のイラストが描かれたパネルを背景にカメラマンが記念写真を撮ってくれるらしいブース。

そこに、家族連れやカップルのお客さんたちが列を作って並んでいた。

「よし、俺たちも記念に撮ろうか」

「え、あ、うんっ」

そう返事をして、ちょこちょこっと歩く浅海さんが可愛くてその場で抱きしめそうになるのをグッと堪える。

本当は、ここにいる人全員に、浅海さんが俺のだって見せつけたくてたまらないけど。

さっきから、

彼女と来てるであろう男たちも、浅海さんのことをチラチラと見ているから。

かわいい顔に見惚れてしまうのもわかるけど。

全男に目隠ししてもらいたい。