「あれ……」

トクントクンと胸を鳴らしながら、待ち合わせ場所である学校の最寄り駅近くにある噴水について。

目線の先に見える横顔に、足が止まった。

あの、スラッとした高身長にお洒落な格好をしている男の子、寧衣くん……だよね?

あれ、私時間間違えて来ちゃったかな?!

確か、10分前には着いているようにしようと思っていたけど、落ち着かなくて5分早く家を出た私だ。

かなり早めに着くかなと思っていたけど……。

もしかして、私、時間間違えて遅刻したのかも!!

急いで彼の元へと駆け寄る。

「寧衣くんっ!」

「あっ、浅海さん!」

スマホを見ていた目をすぐにこちらに向けた彼が眩しい笑顔で私に手を振る。

「ご、ごめんなさい!!私、時間間違えちゃったかな?!」

焦ってすぐに謝罪をすると「あ、いや、違うよ!」と寧衣くんが慌てたように言った。