「はい、これ」
「へ、」
隣からふたたび声がしたかと思えば、目の前に透明のカップに入ったプリンらしきものが現れた。
「限定30個のプレミアムプリン」
「えっ?!」
最上くんは「ん」とだけ言って私の手の中に少し強引にそのカップをくれると、
あぐらをかいて、さっき私がもらったカップと同様のものを袋から取り出してパカッと蓋を開けだした。
「あの、最上くん、」
どうして突然、こんなことをしてくるの。
昨日までなんの接点もなかったのに。
思ってもなかった展開に頭が追いつかなくてフリーズしてしまいそうになる。
「ん?……あ、もしかして浅海さんプリン苦手だった?!」
「え、いや!好きですっ、プリン」
思わず少し前のめりで声を張って『好きです』と言ってしまったのが我ながら恥ずかしい。
プリンが好きなのは事実だけれど。



