「も、最上、くん?……なんで、」
少し彼の呼吸が乱れているような気がして、
そこまでして私のことを探してくれたのかと、くすぐったい感覚になる。
「すっげー探したよ。校舎どこ探してもいないから」
「……あ、ごめんなさいっ」
「や、違う!」
私が謝ると、最上くんはそう言って手のひらをこちらに向けた。
「俺が勝手に探してただけだから。浅海さんなんも悪くないから謝らないで」
最上くんはそう言うと、まるで当然かのように私の隣に腰を下ろした。
「っ、」
ち、ち、ち、近い。
肩が触れるか触れないかの距離。
男の子とここまで至近距離になるのは初めてだ。
思わず顔を最上くんの反対側へと向ける。
顔が熱い。そりゃそうだ。相手はあの人気者でイケメンの最上くんなんだもん。



