想いと記憶

「こんなこと言うのもあれだけど、私は＿＿のこと好きだよ。恋愛の方で」

「何となく気付いてたって言ったら怒るかもしてないけど、＿＿も好きだよ」

そんな雰囲気も何もない、何の慰めにもならない告白にちゃんと応えてくれたよね。
あの時は本当に嬉しかったんだよ。
何せ好きな人と両思いになったのは初めてだったんだから。
普通とは少し違った恋愛だけど、嬉しかったんだ。



その日から流れた日常は、苦しいこともあったけど幸せだった。
でも、最終的には自分でその「幸せ」を壊しちゃったんだけど。


実際に好きでいた期間はそんな長いわけじゃないのに、今までの恋よりも長く想っていた感覚になってたんだ。
だからこそ、耐えられなかったのかもしれない。
私とは違った恋愛の価値観、見方、考え方。
最初は自分と何処か似ていて、違うところが好きだった。
でもいつの間にか自分の中で何かが拗れてしまったんだ。
ズレている価値観が、見方が、考え方があまりにも違っていて…。
気がついたらただただ苦しいだけの恋になってしまった。

だから終わらせたんだ。
自分がただ苦しみたくないって言うだけで。
今なら申し訳ないことをしたなと少し思う。




正直今でもまだ困惑してるし、これでよかったのかなってなう日がある。
毎日連絡していたのが当たり前になっていて、
会話の内容もまだ覚えていて、
初めて会った日も、イベント以外で初めて遊んだ日のことも、　初めて…。
なんて今も思い出して浸って、また記憶から消そうとして。




そんなことをぐるぐる考えてるうちに恋愛感情がどんなものだったのかがわからなくなっちゃったんだ。
私はまだ未熟で、まだまだ子供で。
価値観の違いなんて簡単には受け入れられなくて。
違いがあるのは仕方がないと、それぞれの考え方があると、もっと私が大人だったらと…。
こんなことを考えたところで時間は戻らないし、亀裂の入った関係が元に戻ることもない。
ちゃんと話してくれてたのに、自分で突っぱねて一方的に終わらせてしまった。



こんなひねくれた性格をしているせいか、相手のせいにしてしまう。

「数年後、なんてそんなに待てるの思ってるのか」
「少なからずあと2年も待たなきゃいけないのか」
「私がそんなに長い間好きでいられると思っているのか」

なんて、我ながら最低だなと思う。
でも、そう思わずにはいられなかったんだ。
本当、最低だと思う。