少し沈黙がおきる。

ドキドキドキ…




「あー、ダメだ…」

エリックが頭を抱える。

「どうしたの?」

「リリア、急すぎるんだよ」

なにが?

さっぱりわからない。


「まだ心の準備できてないし、今言っても100パーセント無理だし…あー、俺って情けねーな」

とかなんとか、ブツブツ言ってるのが聞こえる。

「ねー、エリック、何ブツブツ言ってるの?」


「あぁ、こっちのこと。花言葉は、また今度な」

と、立ち上がった。

「えー?なんでー?」

私も立ち上がった。

「まぁ俺にも色々事情があるわけよ」

と、困った顔をする。

「んー、じゃあ、わかったよー。また今度ね」

何か事情があるなら仕方ない。私も、それ以上突っ込まないことにした。

「この花、本当に可愛いよね」

私は、もう1回ピンクの花を見つめる。


「また、その花、欲しい時は、いつでも俺に言えよ」

エリックが照れくさそうに言う。

「うん、ありがとう、エリック」

もうそろそろ戻ろうかな。

「じゃあ、またね」

私が笑顔で、そう言うと、

「おう じゃあな」

エリックは、そう言うと、帰っていった。