夏を殺して。



喉の奥に何か詰められたみたいに苦しいよ。

声を出すたびに、込み上げてきそうなモノがたくさん喉につめられてる。


苦しい。


でも、それを押し殺すことをやめたら、終わりになってしまうから。だから、がまんする。


「───」

「え?」


本当が音にならないで空気になって、夏の熱気に溶けた。


「なんて言った?」

「アイス食べたい」


なんだよって笑って、それから。


「おごってくれんの?」

「嫌に決まってる。村上がおごってよ」

「祝われる立場にいるのは俺なんだけど?」


祝えるわけない。