これは禁句だった。
やってしまった。
ヤバいと思って口を押さえたが、一度出た言葉は取り消せない。
「もう俺のだから逃がさないよ」 
鋭い眼光で妖艶に微笑むと、一条さんは佐藤さんの存在を無視して私の首筋に歯を立てて甘噛みした。
ああ、どうやら私はまた彼を怒らせたらしい。