姉がとびきりの笑顔を向けると、叔父は目を合わせず苦笑いした。
「ははは」
やはり仕事していないのか。
まあ、秘書室の席に座ってるだけでもいいか。
この女帝には、秘書室の連中も流石に逆らえないらしい。
こんな姉を嫁にもらってくれた義兄に感謝したい。
本当、この人のどこがよかったんだろう。
芽依にとってはこんな小姑が同じ家に同居してたら、やりにくくて仕方ないだろう。
嫁に行ってくれて本当によかった。
「今日のお昼休みに芽依ちゃんに聞いとくわ。お店も今日の定時後に予約入れとくわね。じっくり見れるように」
姉が意味ありげにウィンクする。
この人はこういう事は得意だ……というか、慣れている。
指輪は一刻も早く芽依の指につけさせたいし、この人に手配を任せておけば心配はいらないだろう。
杉本の他にも芽依を狙ってる奴がいるかもしれない。
そんな事を考えていたら、社長の第一秘書の東山が現れた。