【修正版】午前8時のシンデレラ

あそこまで素直で真っ直ぐではなかったが……。
怒りに我を忘れて杉本を殴れば、それはそれで奴の思う壺だ。
だが、俺はそんな青二才じゃない。
「ホテル……」
俺の言葉に杉本が反応する。
ホテルと聞けば、誰だって親密な関係を想像する。
杉本の心中は穏やかではないはずだ。
奴は受け取った桜のキーホルダーがついてる鍵をじっと見ていた。
「あっ!」
芽依も鍵の事にようやく気づいたのか声を上げた。
「杉本、芽依が怯えてるのわからない?それに、わかるだろ?」
俺は視線を芽依の首筋に定める。
そこにあるのは、俺の所有欲の証とも言えるキスマーク。
「俺の女だよ。誰にも譲らない」 
感情を抑えながら冷ややかに告げる。
「邪魔しないでください。恋愛に上司も部下も関係ないですよ。僕は新人の時からずっと東雲さんが好きだった」
普段は冷静な杉本が、声を荒げて感情を吐露する。