横には瑠偉さんがいてとても幸せな気分だ。
花火が上がる中、私は背伸びして彼の耳元で囁いた。
「来年はパパかもしれませんよ」
「え?」
私の言葉に瑠偉さんの表情が一瞬固まる。
だが、すぐに正気に戻ったのか真摯な目で私を見つめた。
「本当なの?」
「スケジュール帳見て、来るべきものが来てないのに気づいて、今朝検査薬試したら青い線がでたの」
ちょっと匂いに敏感になったくらいで、悪阻もなく体調も悪くない。 
瑠偉さんの目がちょっと潤んでる。
「日本に戻ったら一緒に病院行ってくれる?」
私が上目遣いでお願いすると、彼は柔らかな眼差しで優しく微笑んだ。
「もちろん」
「驚いた?」
「そりゃあ驚くでしょ」
 瑠偉さんは背後から私をそっと抱き締めて、私のお腹に手を当てた。
「赤ちゃんいるといいね」
私の言葉に瑠偉さんが頷く。 
「どのタイミングで出来ても嬉しいよ。パーティまだ途中だけどサボっちゃおうか?」