【修正版】午前8時のシンデレラ

「やあ東雲さん。これからよろしく」
佐久間さんは学生時代からの一条さんの親友で、社会人になっても縁が切れることがないまま側で彼を支えてる。
物腰柔らかな王子のような一条さんとは違うタイプのイケメンで、硬派な感じでこの人も仕事が出来て女性社員に人気だ。
私のイメージだと鬼軍曹だけど。
「佐久間さん、私なんか海外営業部には必要ないと思うんですけど」
ダメもとで抵抗してみるが、相手はあの佐久間さん。
素直に引いてくれない。
「それは謙遜だな。君が有能なのは上の方では有名な話だ。中途採用なんてしてる余裕ないんだ。社内事情に詳しい即戦力が必要でさ」
社内事情に詳しいって、要するに生き字引って言いたいのよね。総務で一番長くいる女性社員は私だもの。
「一条さんのアシスタントってことは、秘書でしょう?秘書室から誰か選ぶのが妥当じゃありませんか?将来、一条さんが社長に就いた時にスムーズに事が運ぶと思いますけど」