私は颯大さんにある相談をした
それは父に会う事
私の事を覚えていなくても会いたいと思った
すぐにお義父様に病院を聞いて
面会に行った

父は個室にいた

ベッドから外を見ていた

「吉野さん面会の方が来られましたよ」

看護師さんが伝えてくれると

こちらを向いた

病気のせいか年齢より老けて見えた
髪も白髪が多く、目は虚だった

じっと私を見つめていた
どのくらい見つめられていたのか…

「奈緒⁇」

私は颯大さんを見た

もしかして私を母だと思っているのか⁇

「奈緒⁇」

また聞いて来た

「違います
私はすずです
貴方の娘のすずです」

「すず⁇すず⁇すず⁇」

側にいた看護師さんが

「吉野さん大丈夫ですか⁇」

声をかけた

「すず…すず…すず…」

「すみません
今日はお帰り下さい」

「はい…」

私達は病室から出た

「もしかして思い出したのかな⁇」

「そうだったらいいなあ」

「また様子を見ながら来てみよう」

「うん」