「吉野も騙されていたんだ親に
あいつはもう心が壊れていた
彼女が自分を裏切って出て行ったと…
最初から結婚する気などなかったと
お金が目的で近づいたと
そしてあんなに可愛がってたすずさんも
違う男との間の子どもだと聞かされたらしい
あいつは親の言葉を信じて
愛する奈緒さんに捨てられたと思い
心が病んでしまった
私は彼女がそんな事する子ではないと言った
本当に誠実な子だったから
でもあいつはもう耳を傾けてはくれなかった
だから私は調べた
そして彼女を見つけ話を聞いた
その時はすでに1年経っていた
彼女は自分が捨てられたと思い一人で
頑張っていた
だから私はもう何も言えなかった
あの時…あいつの気持ちを伝えていれば
こんな事にはならなかったのに…
すまない…すずさん
苦労かけたね」

「いえ…本当の事がわかり…よかったです
ちなみに父はどうしてるんですか⁇」

「あ〜彼は完全に心が壊れてしまった
結婚したけど…愛などなかった
子どもも作らなかった
あいつの子どもはすずさん一人なんだ
だから吉野財閥は跡取りがいない
今は病院にいる
吉野財閥はあいつの父親の弟が継いで、
そしてその子どもが今…継いでいる」

涙が止まらない

「お母さんはどうしてるんだ⁇」

「母は2年前に亡くなりました」

「そうだったのか…」

颯大さんが

「じゃあすずは吉野財閥の娘だったって事か⁇」

「あ〜直系の子どもだ
もしすずさんが良ければ…いや無理にとは
言わないが…お父さんに会いたいと思うなら
言ってくれ…病院を教えるから
私は時々吉野に会いに行ってるから
まあ私の事もわからなくなってるがな」

「はい…」

「本当にすずさん
申し訳ない」

お義父様が涙を流している

「大丈夫です
辛いお話をして頂いてありがとうございます
父の事はもう少し時間を下さい」

「あ〜」