「じゃあ…もう誤解は解けたから
ちょっかいを出すのか⁇」

「はあ⁇出しませんよ
姫華ちゃんの大切なパパですもん
またいじめられますよ私…
姫華ちゃんが本当に気にいった
女性が現れたらいいですね」

社長は切なそうな顔をした
どうしてそんなに切なそうな顔を
するんだろう⁇

「姫華は知らないが
俺がいいと思う女はいる」

「そうなんですね
姫華ちゃんが気にいるといいですね」

そう言ったもののなぜか…
少しだけほんの少しだけ胸がチクッとした

気のせい…だろう

突然社長は

「ちなみにあの男とは…どんな関係なんだ⁇」

誰の事だろう⁇
あ〜湊の事かな⁇

「もしかして湊の事ですか⁇」

「あ〜」

社長どうしちゃったのかな⁇
急に湊の事なんか…
そういえば"食事に行かせない"って言ってたな

「湊の事は好きです」

「そっか〜」

「もちろん友達としてですよ
実は大学時代片想いでしたけどね
勇気なかったんです
友達という関係が壊れるのが
怖かったんですよね
ずっとこのままで…友達のままで」

本当にそう思っていた
湊とは友達が1番いいと…

「片想いか〜同じだな」

「同じ⁇」

「俺も実は現在片想い中
好きなのに…優しく出来なくて
冷たい態度になってしまう
辛い思いをして泣いていたかもしれないのに
気づいてあげる事も出来なかった」

社長が片想いって…さっきのいいと思う人だ

「勇気を出して優しく言ってみたらいいのに
もしかして振り向いてくれるかも
しれませんよ」

「それはないなあ
俺…たぶん…嫌われてるからな」

寂しそうに社長は言った

「社長は口は悪いですが…いい人ですよ
姫華ちゃんの事、愛してるじゃないですか⁇
仕事も大変なのに…なるべく時間を
作ってあげて…素敵だと思います
そう言う社長を知ったら好きになって
貰えるかもしれませんよ。」

「それは父親としてだろう
男としては…どうかな⁇」

あれ⁇やっぱり…ほんの少しだけ胸が痛む

背中が痛いから…そう感じるんだ

「でも…たぶん好きになってくれないんだ」

社長が弱気発言

「何…弱気な事を言ってるんですか!
分からないじゃあないですか!」
.
「それが…"俺の事好きになるな"って
言ってしまったからな」

「あ〜なんでそんな事言ったんですか⁇」

おバカだ…この人は…素直になれないんだね

…ん⁇

どこかで聞いたセリフ