「それに、……Aliceだし。」




うっ、と言葉に詰まる。


紅蓮にシノたちがAliceだとバレてからも私はずっと顔を隠してた。

けど、…気づく人は気づくよね。




返す言葉がなく、静かに湊のケーキにフォークを刺す。



「……悪さするなよ。」


その言葉と同時にフォークを持つ手が取られ、あっと目で追えば、フォークに刺さったケーキは湊の口に入っていった。




「…お前の中で、陽彩さんたちより上にならないとな。」




重なった手をもう一度ケーキへと促す湊


「……シノたちとは、場所が違うというかっ…。」



「何?」



顔が近づき、慌てて口を閉ざす。



気持ちの場所が違うよ…。


シノたちは、家族と同じくくりだと思ってる。

でも、湊は、別の…。




異性のとこ。

…さっきからずっとお父様たちが話してる。……結婚を考えるような。