【番外編】好きの海があふれそう

結局、じゃんけんで決めることになったらしく、勝ったのは杏香さん。



「やっぱ杏香は最高だな~」

「小太郎くんばっかりずるい!!」



他のじじばば達の文句を一斉に浴びる小太郎くん。



小太郎くんはそんなのお構いなしだ。



「風里はどうする?」



風里に聞いた。



負けたじじばば達が期待の目で見る。



でも、その期待を裏切る風里。



「ねねたんと!」



風里はお姉ちゃんと一緒に寝たいらしい。



勝ち誇った顔の小太郎くんと杏香さん。



不満そうだけど、「風里が言うならしょうがないか…」という顔の他のみんな。



俺と杏光の気分は、少女漫画の主人公の女の子みたいに「私たちの子供のために争わないで!」という感じだ。



ありがたい…。



「じゃー寝るか~」



小太郎くんがそう言って子供達を連れていった。



残った4人は、期待の顔で弥玖を見る。



「…いや、俺は一人で寝るから」



そりゃもう9歳だからね。



弥玖もそう言って部屋に行ってしまった。



残った大人たちは、諦めて冷蔵庫からお酒を出し始めた。



「もう飲もう」

「賛成~」



テーブルの上には大量のお酒とおつまみ。



まあ、こんなに飲めるのも明日がお休みでなおかつ子供の面倒を見てくれる大人がたくさんいるときだけだ。



みんなで酒盛りした。



「でもさ~、ほーんと、杏光ちゃんには感謝してるの、あたし」

「雛子さん、どういうことー?」

「だーってさ、みんながこうやって結婚してくれたから、あたし達親戚になれたわけだし」

「たしかに! でもあたしもー、雛子さんと義理の親子になれて嬉しい~!」



酔っ払った杏光と俺のお母さんは大声で笑ってる。



「海琉ももっと飲みなよ~」



杏光がそう言って俺のグラスにお酒を注ぐ。