【番外編】好きの海があふれそう

「でも海琉くんのごはん、ほんとに美味しいから毎回海琉くんち行くときとか楽しみなんだよね」



弥玖が言ってくれる。



「おい、普段の飯がおいしくないみたいな言い方すんなよ」



悠麗が言った。



「そんなこと言ってないじゃん」

「俺たちだってうまい飯作ってるだろ」

「だからまずいなんて一言も言ってないってば…」



親子で喧嘩してる…。



なんか悠麗、最近小太郎くんにちょっと似てきてない?



「弥玖、あたしのご飯は求めてないってこと?」

「杏光ちゃんまで…」



姉弟そろって弥玖をいじめないであげてほしい。



俺、プロなんだからそこで争わないで…。



「悠麗、変なこと言うのやめなよ~。悠麗のごはん美味しいよ」



そう言うのは玖麗。



悠麗にとっての女神って感じだな。



夜ご飯を食べ終わって、それぞれ交代でお風呂に入った。



もうあとは子供達は寝るだけ。



「ほら~、陽鞠、風里、寝るよ」

「やだ! じいじとばあばと一緒に寝たい!」



陽鞠が駄々をこねた。



じいじとばあばって…どっちの?



親たちの方をぱっと見ると、全員自分じゃないかと目を輝かせてる。



陽鞠のじいじでもばあばでもない実咲ちゃんと悠胡くんまで…。



「陽鞠、じじばばと寝るのはいいけど…どっちのじじばばと寝るの?」



杏光が聞いた。



「わかんない!」



…どうやら、この非日常の空間が楽しいから、普段と違ければ誰でもいいらしい。



となると、じじばば達の争いがはじまるわけで…。



「いやいや、ここは今日一緒にプールに行った俺だろ」

「お兄ちゃん、独り占めはずるいよ」

「やっぱり、もう1人のじいじの方じゃないかな」



じじばばたちのにらみ合い。



俺と杏光は顔を見合わせて苦笑した。