【番外編】好きの海があふれそう

~海琉~

娘の陽鞠は6歳、息子の風里(フウリ)は2歳になった。



家族4人で毎日幸せに暮らしてる。



今日は、玖麗と悠麗の家族と俺たち、そして俺たちの親たちで恒例の旅行に来てる。



午前中のうちに、玖麗と2人で買い物に出かけた杏光。



俺は、借り切っているペンションのリビングで、子供たちとお留守番。



陽鞠と風里はお絵かきをしていて、9歳の弥玖は夏休みの宿題をしてる。



弥玖は、顔も性格も子供の時の悠麗にめちゃくちゃ似てる。



2年前に、陽鞠が弥玖を好きだと言ったときにはかなりショックを受けたけど、弥玖のことを好きだったのは一瞬だったらしく、今は小学校のクラスメイトが好きらしい。



恋多き娘でパパは寂しい…。



「風里、これ何?」



テーブルで絵を描いてる風里に聞いてみた。



「パパ!」



風里がそう言って俺を指さした。



どうやらこの絵は俺らしい。



オレンジのクレヨンで丸が描いてあるだけだけど…。



そんな風里がめちゃくちゃ愛おしい。



「風里は絵が上手だね~」



俺がそう言ったら、風里はこくんと頷いた。



可愛い。



目が俺にそっくりで、口元と鼻が杏光に似てる風里と、眉毛と目元が杏光に似ていて、輪郭と頬のところが俺に似ている陽鞠は、見ているだけで俺たちの子供なんだってはっきり分かって愛おしい。



それに多分、世界で一番可愛いと思う。



「陽鞠はね、パパとママと陽鞠と風里を描いたよ!」



陽鞠がそう言って絵を見せてくれる。



画用紙いっぱいに、ニコニコした顔の4人とカラフルな家の絵。



こっちまで幸せなのが伝わってくるいい絵。



「陽鞠も上手だね~。いい絵だね」

「陽鞠すごいでしょー!」



陽鞠は嬉しそうだ。



また何か絵に書き足してる。



同じテーブルで宿題をしていた弥玖が、顔をあげて風里と陽鞠の絵を見た。



「2人ともうまいじゃん」

「へへ~」

「俺のことも描いてよ」

「いいよ!」



弥玖はいいお兄ちゃんだ。



そんなやりとりを、別のところに座ってる親たちと悠麗がニコニコと見てる。