【番外編】好きの海があふれそう

「おいしい!」

「でしょ~?」

「うん! にんじんって、甘いんだね!」



そう言う陽鞠の目は新しい発見にキラキラしてる。



ね? にんじん食べると目がキラキラになるって言ったでしょ?



「陽鞠、目、キラキラしてる?」



陽鞠が聞いた。



「してるよ~。とっても可愛い陽鞠ちゃん」



それから食器を片付けて、3人でお風呂に入った。



陽鞠の髪の毛を洗ってあげて、3人で湯船に浸かる。



湯船から、水が大量に溢れ出る。



それが幸せの体積なんだなーと思ったり。



4人分だもんね。



陽鞠は、お風呂のお湯を桶に汲んで、シャンプーを入れて泡立てて遊んでる。



「杏光」



海琉があたしの手に触れた。



「なに」

「まだ拗ねてる?」

「別に~? 娘になんて嫉妬しませんけど~?」



あたしがそう言ったら、海琉が嬉しそうに笑った。



陽鞠が見てないのを確認してから、おでこにチューされる。



なんか物足りない…。



口をちょっとむっとさせて、上目遣い気味に海琉を見た。



海琉は、そんなあたしに、ふふ、と笑って、耳元に口を寄せた。



「愛してるよ、杏光」



海琉の声が耳の奥を通って心臓まで届いた。



「…」



あたしは何も言えない。



「ママ?」



陽鞠が、こっちを見た。



「お顔が赤いよ?」



……あたしの負けだ。