「…莉緒、顔赤いけど。」

リサに言われて、

頬に手を持っていくと、

少しいつもより熱を帯びている気がする。

…あついかも?

…集中。

「…赤くない。」

祐真さんがきて話を聞くために閉じた資料をまた開いて、

いつも通りを装って仕事を続ける。

「いーじゃん、認めたって!今話題のイケメンバレーボール選手に抱きしめられたら誰でも赤くなるよ〜」

「…赤くない…よ。」

仕事に集中しようとするとポコンと可愛い音がして、

画面を見ると早速送ってきた祐真さんからのメッセージ。

『無理しないでね。連絡先ありがとう。』

その二言なのに、

さっきの今で少しドキリとする。

「…宮本さんは莉緒の事大好きだと思うけどな〜何がダメなの〜?」

リサの言葉を聞こえないふりして、

キャラクターがお辞儀するスタンプを押してから、

仕事に集中する。

違う。

祐真さんだけは絶対だめ。

…だめ。

違う。