お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

薫さんの背中を見ながらふいに思う。薫さんにとって迷惑じゃないのならば、もう少しだけここに一緒にいて欲しいと。

「美月……?」

「あ、の……ごめんなさい。その……」

気がつけば、薫さんの服の裾を掴んでいた。自分自身のそんな行動に驚く私の前に、薫さんが腰を下ろす。

「どうかしたのか?」

心配そうに私の顔を覗いた。至近距離にある薫さんの綺麗な顔にドキドキが加速していく。

【もう少しだけ、一緒に居てくれませんか?】

その言葉を口にしたいが、急に恥ずかしさがこみ上げてきて、口に出すことができずにいる。

それでも、溢れ出す想いに蓋をすることができなくてーー