お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

「少しは腹にいれた方がいい。これならば食べられるんじゃないか」

薫さんが、柚シャーベットのカップとスプーンを持ってきてくれた。

「ありがとうございます。いただきます」

薫さんのそんな気遣いが嬉しい。カップを受け取り、ひと口シャーベットを口に運ぶ。さっぱりとした爽やかな柚の風味が口いっぱいに広がり、気持ちがスッとしていく。

「あとでお腹が空いたらなにか消化のいいものをケータリングで頼もう」

「お気遣いいただいて、ありがとうございます」

シャーベットを口に運びながらそう言葉を返した。

「俺がいると美月は気を遣って気持ちが休まらないだろうから、リビングの方にいようと思う。なにかあればいつでも呼んでくれて構わない」

優しく微笑みながら薫さんがそう言ってベッドから立ち上がる。そして私の頭を撫でて、私に背を向けた。