お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

「今日は仕事の後に大事な取引先との会食があるから夕飯はひとりで済ませてくれ」

「分かりました」

薫さんとのそんな会話から始まったその日、私は仕事が休みだったので、部屋の片付けをして洗濯をして掃除をして……一応、主婦的なことをして過ごしていた。

そして今日は久しぶりに紗希と夕食を食べることになったので気持ちが高揚している。

紗希が仕事を終えるまでひとりでぷらぷらとモールを回り過ごしていた。しばらく薫さんとのことで気持ちが落ち着かない状態で過ごしていたが、最近は例の提案のおかげでだいぶ気持ちが落ち着いたこともあってか、久々にウィンドウショッピングを楽しめている。

薫さんがあんな風に宣言したから、なにをしてくるのだろうと最初のうちは構えたりしていたが、まったく行動を起こしてくることはなくて、いつのまにか身構えることもなくなっていった。

普通にルームシェアをして過ごしている、私の中ではそんな感覚に近い。そしてこのまま半年間を過ごせたらいいと心の底から願っている。