お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

「さぁ、どうする？」

九条さんは、悪戯に笑いながら私を見ている。明らかに私の反応を見て楽しんでいる感じだ。九条さんのお父さんをうまく騙せるならば、他に問題はないし不安もない。私にこの勝負を断わる理由は見当たらない。だとすればーー

「それならばその勝負、お引き受けします」

すぐに私の中で答えは決まった。

「それならばこちらも本気でおまえを落としにいく」

「え？」

「負けず嫌いな性格なもんでね。勝負事は常に勝たないと気がすまない」

「そうですか、分かりました。でも私が九条さんに惚れるなんてことは絶対にありませんから。約束ちゃんと守ってください」

「そんな口を聞けるのも今のうちだけだ。一ヶ月もしないうちに、おまえは俺に惚れるさ」

「すごい自信ですね」

「ああ。俺の直感が外れたことは今まで一度たりともないからな。本気でおまえのすべてを奪いにいくから覚悟しろ」

余裕と言わんばかりの態度で悪い笑みを浮かべながら、記入済みの婚姻届を私に手渡してきた。