お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

「どういうつもりですか？」

恐る恐るそう聞き返せば、どこか楽しそうな笑みを浮かべる九条さんの顔が飛び込んできた。

「勝負の決着の際にその婚姻届がとても重要になってくる。勝負の期間は今日から半年間。その間におまえが俺に惚れて陥落したら俺の勝ち。俺に惚れなければおまえの勝ちだ。そのときはこの婚姻届をおまえが破棄しろ。そしてこの関係を解消しておまえは晴れて自由の身だ」

「え？」

まさかの九条さんのそんな提案に目を見開く。絶望に伏していた私の前に一筋の光が広がった。だが、九条さんはなぜいきなりこんなことを言いだしたんだろうか。頭は嬉しさと疑問が交錯している、そんな感じだ。

「自由の身になれば、おまえが望む恋愛結婚の夢を叶える道は開かれる。たとえこの関係を解消してもおまえの父親とうちの父の関係が保たれるようにそこは配慮してやる。だとすればおまえにとってこの提案は魅力的だと思わないか？」

「なぜいきなりそんな提案を持ちかけたんですか？」