お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

九条さんの家はベリーヒルズビレッジ内にある高級レジデンスの最上階だ。ワンフロアをぶち抜いて造られた7LDKという贅沢で特別な間取りになっている。

レジデンス内にはコンシェルジュが二十四時間在中しており、居住者専用のフィットネスやラウンジや緑溢れる広場があり、設備もサービスも超一流な物件だ。

「ひとまずそこに座ってくれ」

「あ、はい」

部屋の中へと案内され、リビングにある白い革張りソファーへと腰を下ろした。キョロキョロと辺りを見回す。

白い大理石の床が印象的な、三十畳はあるだろう広く開放的なリビングは、白と黒で統一されたモノトーンテイストで、きちんと物が整理されていてあまり生活感が感じられないことから九条さんの几帳面な性格が読み取れる。

「これでも飲んで少し気持ちを落ち着かせるといい」

ダイニングキッチンの方から戻ってきた九条さんがそう言って、淹れたての紅茶を出してくれた。エルメスの高級なカップとソーサーになんだかちょっと身構えてしまう。