ピンポーンーー
病室にインターホン音が響いた。母が戻ってきたのだろうか? それとも父が顔を見に来たのだろうか? 誰が来たのかと確認に向かう。
「え?」
と、インターホンに映るまさかの人物に驚いて大きく目を見開いた。
「薫さん? どうしてここに?」
「美月のお父さんに美月が倒れたと聞いて、いてもたってもいられずに仕事を早く終わらせてこっちに戻ったんだ。早く鍵を空けてくれないか」
「あ、はい。すみません」
オートロックを解除して病室のドアの方へと慌てて向かうと、そこには心配そうな表情を浮かべて、私のもとへと駆け寄ってくる薫さんの姿があった。
「貧血で倒れたと聞いたが、もう大丈夫なのか? 無理をし過ぎていたんじゃないか?」
「心配を掛けてすみません。体調の方はもうだいぶ落ち着きました」
薫さんがそっと私の頰に触れながら顔を覗いた。数日ぶりに感じる薫さんの温もりに胸のトキメキが増していく。
「そうか。美月のお父さんに聞いても、なぜかはぐらかすばかりでなにも教えてくれなかったんだ。美月本人の口から聞いた方がいいと言っていたんだが、なにかあったのか? まさか悪い病気だったとかではないよな? だとしたら今すぐにでも美月のお父さんに精鋭部隊を集めてもらわなくては……」
「えっと、ですね……」
薫さんが矢継ぎ早に喋るから、私はすっかり赤ちゃんのことをカミングアウトするタイミングを逃してしまった。
病室にインターホン音が響いた。母が戻ってきたのだろうか? それとも父が顔を見に来たのだろうか? 誰が来たのかと確認に向かう。
「え?」
と、インターホンに映るまさかの人物に驚いて大きく目を見開いた。
「薫さん? どうしてここに?」
「美月のお父さんに美月が倒れたと聞いて、いてもたってもいられずに仕事を早く終わらせてこっちに戻ったんだ。早く鍵を空けてくれないか」
「あ、はい。すみません」
オートロックを解除して病室のドアの方へと慌てて向かうと、そこには心配そうな表情を浮かべて、私のもとへと駆け寄ってくる薫さんの姿があった。
「貧血で倒れたと聞いたが、もう大丈夫なのか? 無理をし過ぎていたんじゃないか?」
「心配を掛けてすみません。体調の方はもうだいぶ落ち着きました」
薫さんがそっと私の頰に触れながら顔を覗いた。数日ぶりに感じる薫さんの温もりに胸のトキメキが増していく。
「そうか。美月のお父さんに聞いても、なぜかはぐらかすばかりでなにも教えてくれなかったんだ。美月本人の口から聞いた方がいいと言っていたんだが、なにかあったのか? まさか悪い病気だったとかではないよな? だとしたら今すぐにでも美月のお父さんに精鋭部隊を集めてもらわなくては……」
「えっと、ですね……」
薫さんが矢継ぎ早に喋るから、私はすっかり赤ちゃんのことをカミングアウトするタイミングを逃してしまった。

