お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

そして日が暮れ始めた頃、お洒落なポリネシア風のレストランでオテマヌ山に沈む夕日を見ながら、ロマンチックなハネムーンディナーが始まった。

タヒチアンダンサーのパフォーマンスやウクレレ奏者の演奏を聴きながら優雅な時間が流れていく。

「このお料理ココナツミルクとライムの味が効いていて、すごく美味しいです」

「ポワソンクリュと言って生魚をココナツミルクで和えてライムを絞って食べるマリネのようなものだ。これはタヒチの伝統的な料理なんだ。ココナツミルクの味が好みならば、こちらのチキンファファもおすすめだ」

薫さんがそう言ってニコリと微笑む。薫さんに勧められた料理に手を伸ばす。日本で言えばとココナツ風味のチキンとほうれん草煮込みというところだろう。優しく繊細な味がして、こちらの料理もとても美味しかった。

「これもすごく美味しいです」

「だろう? 今日はポリネシア料理を存分に堪能してくれ。そして明日もいろいろとアクティブティを予定しているから、楽しみにしていろ」

「はい。ワクワクします。明日に備えて今日は早く寝なくちゃ!」

「美月がそう思っていても俺は美月を朝まで寝かせるつもりは到底ないけどな」

「え?」

「この非日常な素敵な空間で、甘く情熱的な夜を過ごそうじゃないか」

薫さんの言葉に動揺して、顔を真っ赤に染める私を見て薫さんが意地悪く笑い、私の頰を優しく撫でた。