お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

そしてひと通り説明を聞き、薫さんたちがタンデムギアのチェックを念入りにし終えると、スイートルームのすぐ横にある専用エレベーターへと乗り込んで屋上のヘリポートへと向かった。

あまりの予想外の展開に気持ちがついていかない。屋上につくとすでに日は暮れかけていて、ヘリポートには九条家所有のヘリコプターがスタンバイしていた。

「薫さん、あの……」

恐怖で足がすくみ、声が震える。

「美月がギブアップだというならば、このままヘリに乗り、夜景を楽しむ案に変更しても構わないぞ」

私の気持ちを見透かしたように薫さんがそう言って優しく微笑む。

「でも……」

薫さんが一生懸命に計画してくれたことだし、熱心に時間をかけてダイブの指導をしてくれたのだからと思うと、断ることにやはり気が引けた。

「無理強いはしない」

薫さんのまなざしは優しい。私はそんな薫さんと出会って様々な感情を知った。そして私とは正反対な彼にいつも引っ張ってもらって、今まで経験したことがない刺激的で新鮮な世界を見せてもらっている。

だからきっと、薫さんが今から私に見せようとしてくれている新たな世界にも、驚きや感動が溢れているに違いない。

引っ込み思案で自分に自信がなかった私を少しずつ変えてくれたのは薫さんなのだ。

だからーー