お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言

私の決心がつかないまま、薫さんの指導が始まった。パッセンジャーハーネストという装備を薫さんが私の身体に慣れた手つきで装着させていく。

そして念には念をと、薫さんがお世話になっているというスカイダイビングスクールのベテランスタッフまで呼びよせて、私に基本動作を熱心に教え始めたものだから「スカイダイビングなんて無理です」なんてことは言い出しにくい雰囲気になりつつある。

「航空機から出る瞬間は、体勢を安定させるために、必ず両サイドにあるベルトに手をおくんだ。そして肘をうしろに引き、胸をこうやって張る。俺と同じようにやってみろ」

「え? あ、はい。こうですか?」

「そうだ。次に航空機を飛び出してからの話をするが、足をすぐに閉じて膝を折り曲げるんだ。ちょうど、かかとがお尻につくくらいの位置がベストだ。絶対に膝を前に抱え込まないようにしてくれ。あとは安定したら手はベルトから離して自由にしてくれて構わない」

スタッフさんに時折アドバイスを求めながら、薫さんの熱い指導はそれからしばらく続いた。