「着替えてきました」
数分後、そう言ってリビングに移動していた薫さんのもとへと向かった。
「それでは始めるぞ。服の上からこれを着ろ」
「あ、はい」
手渡されたものを着てみれば、それはつなぎのようなものだった。
「あの、これは……」
「ジャンプスーツだ。一緒にタンデムジャンプをするのに必要だからな」
「タンデムジャンプ?」
「忘れられない日にしてやると言っただろう? ただ夜景を見て食事をするだけではつまらないじゃないか。だから一緒にスカイダイビングをして夜景を楽しもうと思ってね。ちなみにふたり一緒になってダイブする方法をタンデムジャンプというんだ」
「えー!」
まさかの薫さんの発言に思わず絶叫してしまった。妙な冷や汗が込み上げてくる。あの悪い笑みの理由はこういうことだったのだと、今ようやく理解ができた気がする。
「大丈夫だ。俺はちゃんとタンデムインストラクターのライセンスを持っているし、今までに国内外で何百回もダイブを経験しているから、なにも心配はいらない」
と自信たっぷりに言われても、薫さんが私に用意したバースデーサプライズは想像の遥か上をいくもので、それをすぐに受け入れることができずにいる。寧ろ丁重にお断りしたい気分だ。
数分後、そう言ってリビングに移動していた薫さんのもとへと向かった。
「それでは始めるぞ。服の上からこれを着ろ」
「あ、はい」
手渡されたものを着てみれば、それはつなぎのようなものだった。
「あの、これは……」
「ジャンプスーツだ。一緒にタンデムジャンプをするのに必要だからな」
「タンデムジャンプ?」
「忘れられない日にしてやると言っただろう? ただ夜景を見て食事をするだけではつまらないじゃないか。だから一緒にスカイダイビングをして夜景を楽しもうと思ってね。ちなみにふたり一緒になってダイブする方法をタンデムジャンプというんだ」
「えー!」
まさかの薫さんの発言に思わず絶叫してしまった。妙な冷や汗が込み上げてくる。あの悪い笑みの理由はこういうことだったのだと、今ようやく理解ができた気がする。
「大丈夫だ。俺はちゃんとタンデムインストラクターのライセンスを持っているし、今までに国内外で何百回もダイブを経験しているから、なにも心配はいらない」
と自信たっぷりに言われても、薫さんが私に用意したバースデーサプライズは想像の遥か上をいくもので、それをすぐに受け入れることができずにいる。寧ろ丁重にお断りしたい気分だ。

