翌朝、担任の田中先生から旧校舎の解体工事の準備が始まるから絶対に近寄らないようにと話があった。





俺は教室の窓から旧校舎の屋上を見上げた。




本の少し前に将生はあの屋上から飛び降りた。



将生はもともと恐い話や幽霊が嫌いで信じないタイプの人間だった。




もしかしたら、将生が最後に見ていたものは……。





うん、やっぱり、やめておこう。





正吾がもう一度旧校舎の屋上を見上げた。





……水沢真子、だったのか。