しばらくの話し合いのあと、

「分かった。俺が行くよ」と悠介が名乗り出た。

「でも、危険だよ…」と私。できれば悠介には行ってほしくない。

「て言うかさ、女子からも誰か行けよ」
ずっと黙っていた隼人君が口を開く。

「囮は多い方が成功率も上がるだろ? 都合の良い時だけ、男に全部任せんなよ」

たしかに、一理あるけど。

生存者は男子4人(悠介、拓真君、隼人君、健二君)に対し、女子は9人(私、瑠花、優愛、桜その他5人)いる。

けどみんな顔を見合わせるだけで、立候補はしない。

先生の死体まで、少なくとも10mはある。

この距離を見えない相手を避けながら取りに行くのは自殺行為だ。

私だって、やりたくない。

「はーい、ちょっといいかな?」
瑠花が手を上げた。