プールの中にいる人は誰も怪我をしていなかった。
きっと、プールから出た人だけが見えないナニカに攻撃されるんだ。
「プールから出ないで! お願い!」
声の限り、必死で呼びかける。
しかし、ドロッとした血がプールに流れ込み、水が赤く染まると、みんなは悲鳴を上げ、水中から逃れようとする。
……すでに40人いたクラスの半数近い人が、プールサイドで事切れていた。
「落ち着けおまえらっ!!」
悠介が怒鳴る。普段は温厚で子供っぽい悠介からは想像がつかないほど威圧感のある声だ。
みんなはビクッとし、悠介を見る。
「プールから出るな。出た奴から殺されてる。分かるだろ?」
私の呼びかけには応じなかった人も、悠介の声でようやく動きを止めた。
水に混ざった血がお腹の辺りをなでる。
死体から漂う鉄臭い悪臭が鼻をつき、喉を焼くような吐き気がお腹の底から込み上げる。
「助けて。誰か…」
その声は死体の中から聞こえた。
きっと、プールから出た人だけが見えないナニカに攻撃されるんだ。
「プールから出ないで! お願い!」
声の限り、必死で呼びかける。
しかし、ドロッとした血がプールに流れ込み、水が赤く染まると、みんなは悲鳴を上げ、水中から逃れようとする。
……すでに40人いたクラスの半数近い人が、プールサイドで事切れていた。
「落ち着けおまえらっ!!」
悠介が怒鳴る。普段は温厚で子供っぽい悠介からは想像がつかないほど威圧感のある声だ。
みんなはビクッとし、悠介を見る。
「プールから出るな。出た奴から殺されてる。分かるだろ?」
私の呼びかけには応じなかった人も、悠介の声でようやく動きを止めた。
水に混ざった血がお腹の辺りをなでる。
死体から漂う鉄臭い悪臭が鼻をつき、喉を焼くような吐き気がお腹の底から込み上げる。
「助けて。誰か…」
その声は死体の中から聞こえた。