瑠花がプールサイドに手をつき、上がろうする。

「瑠花ダメっ!」

咄嗟に瑠花の体をプールに押し戻す。そのとき、鋭い痛みが肩に走る。まるで鋭利な刃物で切られてように、肩から血が流れる。

「環っ!!!」

悠介は私に駆け寄り、抱き寄せる。脳裏にはさっきみた影が過る。

「プールの外にナニカいる! 絶対に上がっちゃダメ!」