「ちょっと止めなって」

私が拓真君を止めようとすると、勢いで押され、頭から水へ倒れた。

見上げるようにして、水中から空とプールサイドが見える。

ーーえっ…?

そこには数十人の黒い影がゆっくりとしたペースでプールサイドを歩いていた。

「ぷはっ!」

水から顔を上げると、影は消えていた。

「それは、どういう……えぇ。では…」

守山先生が誰かとスマホで話しているのが見えた。

先生は電話を終えると、蒼白い顔で走ってくる。

「おいおまえら!!! 今す…」

その瞬間、先生の首が飛び、勢いよく血が噴き出した。