緊張から頭の中が混乱し、じゃんけんの勝ち負けがわからなくなったのだ。


ミヅキの表情が徐々に青ざめ初めて、ようやくわかった。


俺はグーを出していて、ミヅキはチョキを出しているのだ。


「勝……った」


自然と口をついてそう言っていた。


勝った。


勝ったんだ!


その喜びを爆発させる前に、ミヅキがその場に倒れるようにして崩れ落ちたのだった。