「じゃぁ、最後! さっそく見せてみろ!」


俺ボディウェーブで機嫌を良くした鬼が星斗へ向けてそう言った。


星斗の肩が微かに震える。


けれど、その表情は自信に満ちていた。


「俺はマジックをします」


広間の中央へ立ち、星斗がそう言った。


さっきから手の中に持っていた物は、マジック道具だったようだ。


常に持ち歩いているのかもしれない。


自分が評価5をもらった安堵感から、俺は星斗のマジックを冷静に見る事ができるようになっていた。


どんなマジックを披露するのかわからないけれど、子鬼たちもマジックと聞いただけで食いついている。


「それでは、俺の両手に注目してください」


星斗がそう言い、両手を広げて見せた。


手には何も持たれていない。