そんな突っ込みを入れたいところだったが、やめておいた。


ミヅキの結果は○が4つだった。


悪くない評価だ。


戻って来たミヅキはなにも言わず、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。


耳が痛むのか顔をしかめている。


今は何も言わずにそっとしておいてやる方がよさそうだ。


「次、誰だー?」


ピアノの余韻に浸る暇もなく、鬼の声が聞こえて来た。


綾がゴクリと唾を飲みこんだのがわかった。


次は綾の番だ。


「大丈夫だ。いつも通りにしていればきっとうまく行く」


綾が何を披露するのかも知らなかったけれど、俺はそう言った。


少しでも気持ちが落ち着けばいいと思った。


「ありがとう。言ってくる」


綾はそう言い、自分の足でしっかりと歩き始めたのだった。