浩成が審査員の子鬼たちの方へ向いた。


子鬼たちはキャッキャとはしゃいでいる。


「い、いきます!!」


大きな声でそう言った浩成が、一気に牛乳を煽った。


顔面に降りかかるほど斜めにされたコップから、牛乳がドボドボとこぼれ出す。


ほとんど飲めていないように見えるけれど、子鬼たちは大笑いだ。


反応は上々。


たった数秒でコップを空にした浩成は、最後に鼻から牛乳を吹きこぼした。


そこでまた大爆笑だ。


特技でもなんでもなくなっているけれど、広間の中は笑いに包まれている。


鬼も表情を緩めて笑っているのが見えた。


牛乳で顔面を真っ白にした浩成は肩で息をして審査員たちを見つめる。