地獄船

「ミヅキ……?」


綾が苦しげな声でミヅキの名前を呼ぶ。


「……どうせ死ぬつもりだったし」


ミヅキの呟きが聞こえて来る。


その声はいつも通りで、腕立てをしたせいで疲れているような気配は感じられなかった。


ミヅキは自ら放棄したのだ。


「ミヅキ、なにしてんだよ!」


思わず、声を荒げていた。


まだいけるのに途中で命を捨てるなんて、そんなこと許されるわけがない。


「もういいよ、もう疲れた」