地獄船

それは黒板を爪でひっかくような、ガラスをひっかくような、不快な音を混ざり合わせた声だった。


咄嗟に両耳を塞ぐ。


近くにいた浩成はその場から逃げるように入口まで非難した。


それでもミヅキは悲鳴をやめない。


泰明の体にすがりつくようにして奇声を上げる。


俺たちは後ずさりをして扉から離れた。


さすがに扉を閉める事はできないので、廊下までミヅキの声が聞こえて来る。


悲しみ、怒り、絶望。