「鬼たちが全員寝てるんだ。逃げるなら今しかない」


俺の提案に綾は目を見開いた。


「でも、あたしまだ動けないよ」


他の2人も同様に頷いた。


だけど、このチャンスをみすみす逃すわけにはいかない。


「気持ちが悪くなれば吐けばいい。とにかく、今は逃げるんだ」


俺はそう言うと、3人を起こして広間から外へと出たのだった。