だけど、ゲームの内容を聞くまではまだわからなかった。


「次のゲームは紅白歌合戦!」


鬼の言葉に子鬼たちがワッと歓声を上げた。


今までで一番大きな拍手が沸き起こる。


「歌合戦……」


綾が小さな声で呟いた。


どうやらこのゲームは子鬼たちが特に待ちわびていたゲームらしく、歓声は鳴りやまない。


「うるさいぞ、お前らー」


鬼は注意をしながらも楽しそうだ。


「どうしよう、あたし……」


綾が不安げな表情を俺へ向ける。


「大丈夫だよ」


俺は咄嗟にそう言っていた。


だけど、綾の歌の下手さ加減は俺も良く知っていた。