冷たい水に綾がパッと目を開く。


「綾、気が付いたか?」


「え……あれ?」


綾は瞬きを繰り返して周囲を見回す。


よかった。


とりあえずは子鬼のエサにはならなくて済んだ。


「なんだよ、目ぇ覚ましちゃったじゃん」


子鬼が頬を膨らませてブーイングを起こす。


俺は綾の体を強く抱きしめたのだった。